痛みについて
当院にも「痛み」を訴えて来院される方は多くみられます。
そこで少しだけ専門的に「痛み」について、お伝えしたいと思います。
痛みには感覚的要素と情動的要素があります。
①感覚的要素
全ての痛みに関わります。 身体が傷つくことにより起こる痛みで、損傷の大きさと比例して起こる痛み。 これは純粋に体を痛めた痛みになります。
②情動的要素(気持ち)
慢性痛に特に関係する。 身体の損傷の大きさとは別に、情動的要素で悪化する痛み。 つまりは気持ちで痛みが変化するということ。
「時期と症状によって痛みを分けると、」
①急性痛
症状が出てから短い時間で、痛みの部位が局所に限られている
②急性痛の延長の慢性痛
症状が出てからある程度時間が経過してるが、痛みの部位が局所に限られている。 不定愁訴は少ない
③急性痛とはかけ離れた慢性痛(慢性痛症)
症状が出てからある程度時間が経過しており、痛みが広範囲に出現しているもの。 不定愁訴なども多く訴えているもの
①②は原因の治療 ③は原因の治療より、痛みを止める治療を優先になります。 つまり痛みの質により、治療内容を変える必要があります。 治療院にみえられる方は③まで進んでいる方が多いのが現状です。
①の段階で施術が行えていると早く改善に導いていけます。 少しでも早めのケアを心がけて下さいね。
次は先ほどの急性痛と慢性痛症を表にして見比べてみましょう。
「急性痛と慢性痛症の違い」
急性痛 | 慢性痛症 | |
---|---|---|
原因 | 外傷、急性疾患 中枢神経系は正常で 侵害に直結 | 末梢神経、脊髄レベルの 異常入力と交感神経の変化 |
組織損傷 | 存在する | 存在しないか、回復している |
身体所見 | 炎症、損傷がある | 炎症、損傷がないことが多い |
罹患期間 | 損傷が治るまで | 4週間以上 |
症状 | 交感神経活動の亢進 心拍数の増加、 血圧の上昇、 不安、錯乱状態 | 表情は乏しい、疲弊、 不眠、食欲減少 怒りやすい、引きこもり、 抑うつ状態 |
痛みの 感受性 | 正常 | 増強 か 普段感じない刺激を痛みに感じる |
治療 | 消炎鎮痛薬が有効 | 消炎鎮痛薬が無効のことが多い |
・痛みを治療するには急性か慢性かを区別する必要がある。
・急性痛は外傷や疾患に伴う症状の1つ、そのため原因の追究と治療が優先。
・慢性痛は痛み自身が疾患、心の状態が多く関与。原因を突き止めるよりも痛みを止めることが優先。
・慢性化している痛みの多くは、筋肉に関連している。
「筋肉の痛みについて」
case1:痛いと感じるところが原因
痛みを感じている部位と、原因となる筋肉が同じ場合、 痛いところを治療すれば、痛みがよくなる この場合、痛みの原因部位を探すのは比較的簡単>>>治療効果は比較的高い
case2:痛いと感じるところが原因でない場合
痛みを感じている部位と、原因となる筋肉が異なる場合 痛いところを治療しても、痛みはよくならない。 この場合、痛みの原因部位を探すのはとても難しい>>>治療効果は低い 7割近い筋肉が痛みを感じている場所と原因部位が異なるため、 より的確な判断が必要になります。 つまりは経験のある治療家でないと、なかなか効果的な施術ができないのです。
部位別痛みの特徴
皮膚・神経の痛み:境界が明瞭で鋭い痛み。痛みの場所と治療部位が近い
筋肉・内臓の痛み:境界が不明瞭で鈍い痛み。痛みの部位と治療部位が離れている
筋肉の痛みは血液検査や画像検査では異常をみつけられません。 今回の話は少し難しかったかもしれませんが、 急性痛か慢性痛の区別、また痛みの部位は神経か筋肉かなど 的確な判断が必要になります。
つまりどこの治療院にいっても、ある程度経験を積んでないと 正しい判断ができないのです。
ただやみくもに患部ばかり施術するのは、解決にはつながらないのです。
あなたが受けている施術の参考になれば幸いです。
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