2017/07/26 (更新日:2022/12/07)
腰痛ー椎間板
椎間板は椎体と椎体の間にある板状の軟骨組織で、弾力性に富み、椎体間の可動性を高め、クッションの働きをして衝撃や圧力を調整する働きがあります。 中には髄核というゼリー状の物質(80%が水分)が入っており、その周りを取り囲むように線維輪があって、 ふたとそこにあたる上下には軟骨板があります。椎間板の軟骨板には成人するまでは椎体から血管がきていますが、成人した後は血液の供給はありません。
また線維輪のごく表面の層には知覚神経が分布していますが、線維輪の深層や髄核、軟骨板には神経がありません。なお、脊椎周囲にある靭帯には多数の知覚神経があります。 成人の正常な椎間板の内部には、神経や血管がまったくありません。また椎間板は椎骨と椎骨の連結役をしています。身体をねじったり、曲げたりできるのも椎間板があるからです。
椎間板の水分は20歳を過ぎるころから減り始め、30歳を過ぎると線維輪の水分も減り、髄核の弾力性が失われます。歳をとって身長が縮む原因の1つに、椎間板の水分の減少があります。 人が立ったり、寝たりしても、椎間板には常にある程度の圧力がかかっています。
脊椎にかかる圧力の70%は椎間板で吸収され、残りの30%が椎間関節の部分で吸収されています。 まっすぐ立っている時の内圧を1とすると、仰向けに寝ている時は約4分の1、椅子に座っている時は約1.5倍 前かがみで座っていると約2倍、さらに前かがみで重い荷物を持った時はさらに高くなります。 座ったり、立ったり、何気ない日常の動作でも、椎間板や椎骨だけでなく、そのまわりの靭帯や筋肉に かなりの負担をかけていることになります。
腰を前に曲げると、椎間板内の髄核は後方に移動します。逆に腰を後ろにそらすと髄核は前方に移動します。 前かがみで物を持った時、椎間板の内圧が高くなり、髄核が後方に移動すると、椎間板の後ろの壁である線維輪や その後ろにある後縦靭帯に強い圧力がかかることになります。
しかし後方の線維輪や靭帯は比較的弱い組織なので、日常生活での腰を曲げることによって絶えず大きなストレスがかかると問題が生じます。 加齢的な変化や激しい運動などにより、線維輪が外側に膨張したり、断裂したりして腰痛のもととなり、やがては椎間板ヘルニアを引き起こしてしまうこともあります。 椎間板内の内圧から考えると、腰を前に曲げることは、腰部に大きな負担をかけ、逆に腰を反らすことは腰部の負担を軽減する動きであるといえます。
普段の生活での注意点
座る場合、前かがみでなく背筋を伸ばして、腰の前彎を保った座り方をすれば、腰への負担はずいぶんと軽くなり、それが腰痛の予防となります。 重い物を持ち上げる時は、腰をおろし、膝を曲げ、荷物を身体に引き寄せ、足の力も利用して持ち上げると 腰への負担が軽減できます。 毎日の生活で少しずつ気をつけるだけで、腰痛の予防につながっていきます。
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