2017/07/28 (更新日:2022/12/07)
腰痛ー脊髄
(椎骨を上から見た絵になり、図の上部が腹側、下部が背側になります) 脊髄は脳から続いている中枢神経で、手足を動かしたり、手足の知覚を司ったりする重要な神経です。 脳が頭蓋骨に保護されているように、脊髄は脊椎の中央にある脊柱管というトンネルのような空間の中を走っていて、外部の刺激から保護されています。 脊椎(背骨)は椎骨と椎間板が首から胸、腰、仙骨、尾骨までつながって構成されていますが、脊髄はだいたいみぞおちの高さの所(第12胸椎と第1腰椎の付近)で円錐状をして終わっています。 そこから先は細い素麺のような形で枝分かれして、腰の部分へと縦に走っています。 この素麺が並んだ形が馬のしっぽのようなので、馬尾神経といいます。
脊髄神経(31対)は、頚神経8対、胸神経12対、腰神経5対、仙骨神経5対、尾骨神経1対に区分されています。それぞれの運動と知覚を支配します。 私たちの腰あたりの脊柱管の中は、馬尾神経があふれています。 馬尾神経は、臀部や下肢の運動や知覚を支配し、排尿や排便を調節しています。
「神経の分類」
神経は中枢神経と末梢神経に分類できます。 中枢神経は、脳や脊髄になります。 末梢神経は、脳や脊髄以外の神経で、脳や脊髄からのシグナルを全身に伝える役割をしています。 末梢神経はさらに区分があり、自律神経と体性神経に分かれ、 自律神経(交感神経・副交感神経)は自分の意志とは関係なく動く神経(呼吸、心臓、胃腸など) 体性神経(運動神経・知覚神経)は自分の意志で動く神経(手足を動かすなど)になります。 脊柱管から外に出た神経は、中にある中枢神経に対して末梢神経といいます。末梢神経の運動神経は目的の筋肉に入り、脊髄を経由して脳からの指令をその筋肉に伝えます。 一方、知覚神経は皮膚や関節などからの痛みや感触などの刺激を脊髄を経由して脳に伝えます。
脊髄の前からは運動を支配する「前根」という運動神経が、また後方からは知覚を支配する「後根」という知覚神経が左右対になって枝分かれしています。前根と後根は脊髄を出た後で合流して「神経根」となり、椎間孔という脊椎の隙間から脊椎の外に出ていきます。
腰痛の原因は複雑です。
下肢に痛みを伴う腰痛では、加齢や過度な運動などによって脊椎が変形したり、ずれたりした場合や、脊柱管が狭くなったりして馬尾や神経根が直接圧迫されたりすると、炎症がおき、下肢のしびれや麻痺とともに、腰痛が認められることがあります。
しかし、下肢の痛みを伴わない普通の腰痛の多くは、椎骨をつないでいる靭帯や椎骨と椎骨の関節部分(椎間関節)、背筋、椎骨へ過剰な負荷がかかったために、その部分が外傷や炎症を起こして、その周囲の神経が過敏になり、痛みを感じると考えられています。
そしてこの場合の多くは、神経根から出ている「後枝」や「反回枝」と呼ばれる細い神経が痛みを伝達しています。 馬尾・神経根は知覚や運動を伝えるが、馬尾・神経根そのものの圧迫も腰痛の原因になると考えられています。 また椎間板の内部には神経はないが、椎間板に張り付いている靭帯や線維輪の表面には知覚神経がたくさんあり、椎間板の突出などにより激しい痛みを感じます。 椎間関節にも知覚神経があるので、腰椎の捻挫により椎間関節に外傷が加わっても痛みを感じます。
このように少し話しても大変複雑な構造になっているので、医者といえども痛みの原因を特定することが難しいのです。 となるとレントゲンみたいに、骨しかうつらない画像では神経、靭帯、椎間板などの様子もみえないので、 本当の意味での確定診断はできるのでしょうか?
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