脊柱管狭窄症の真実と再発を予防するための身体づくり

少し歩くと足がしびれて、休まないと歩けない…」 「長年腰の痛みと付き合ってきたけれど、最近特に症状が悪化してきた…」

もしあなたがこのような症状、特に「間欠性跛行（かんけつせいはこう）」と呼ばれる症状（歩くと痛みやしびれが出て、休むとまた歩けるようになること）にお悩みなら脊柱管狭窄症かもしれません。

脊柱管狭窄症は高齢化社会において非常に多く見られる疾患です。しかし「歳だから仕方ない」と諦める必要は全くありません。適切な知識とケアを行うことで、多くの場合、日常生活の質を大幅に改善できます。

今回は脊柱管狭窄症のメカニズムから、手術を回避して症状を改善・予防するための方法までを詳しく解説します。

脊柱管狭窄症とは、背骨の中を通る神経の通り道（脊柱管）が狭くなり、中の神経が圧迫されることで、腰や足に痛みやしびれを引き起こす病態です。

脊柱管の役割：大切な神経のトンネル

背骨の中心には、脳から続く重要な神経の束である脊髄や、そこから枝分かれする神経根が通るトンネルがあり、これが脊柱管です。腰の部分では、脊髄の末端から馬のしっぽのように伸びる馬尾神経が通っています。

狭窄が起こるメカニズム

加齢とともに脊柱管を構成する以下の組織が変性し、肥厚することでトンネルが狭くなります。

1. 椎間板の変性：椎間板が水分を失って弾力性がなくなり、後方に膨らみ、脊柱管を圧迫します。

2. 黄色靱帯の肥厚：背骨を繋いでいる黄色靱帯が厚く硬くなり、神経の通り道を狭めます。

3. 骨の変形：椎間関節や椎体の骨が変形し、骨棘（こつきょく）と呼ばれるトゲができ、これが神経を刺激・圧迫します。

これらの複合的な要因により神経が圧迫され、炎症や血流障害が起こり特有の症状が現れます。

脊柱管狭窄症で最も特徴的なのは、歩行によって症状が悪化し、前かがみで休むと改善する「間欠性跛行」です。

特徴的な症状

症状詳細
間欠性跛行
歩き始めは平気だが、数十メートル〜数百メートル歩くと、腰の痛みや足のしびれ・脱力感で歩けなくなる。少し前かがみになって休むと、また歩けるようになる。

前かがみで楽になる
背筋を伸ばして立ったり反ったりすると脊柱管がさらに狭くなり痛みが増す。前かがみになると脊柱管が広がり、症状が軽減する。

坐骨神経痛
お尻から太ももの裏、ふくらはぎにかけて、痛みやしびれが広がる。

冷え・異常感覚
足先や足裏に冷感や、皮膚が張り付いたような異常な感覚を感じる。

脊柱管狭窄症は「加齢」が大きな原因ではありますが、単に歳を取ったからなるわけではありません。長年の「腰に負担をかける生活習慣」が、変性を加速させます。

1. 長期的な不良姿勢と体の歪み：

   • 反り腰：脊柱管狭窄症の患者様は、腰を反っている姿勢が強くなりがちです。反り腰は、背骨の後ろ側にある椎間関節や靱帯に強い圧迫を加え、狭窄を加速させます。

   • 骨盤の歪み：骨盤が前傾または後傾することで、腰椎のカーブが崩れ、特定の箇所に変性が集中します。

2. インナーマッスルの機能不全：

   • 腰を安定させる腹筋やインナーマッスルが弱くなると、動くたびに腰椎が不安定になり、関節や靱帯に過剰な摩擦や負担がかかり続けます。これが変性を早める最大の原因です。

3. 過去の疾患や外傷：

   • 過去に腰椎分離症・すべり症、あるいは重度の腰椎椎間板ヘルニアを患った経験があると、その部分の不安定性から狭窄が進みやすくなります。

狭窄症の治療は、まず保存療法（手術以外の治療）が基本です。しかし、以下の症状が一つでも現れた場合は、緊急性が高いため、直ちに専門医の診察を受けてください。

🚨 緊急手術が必要なサイン（馬尾症候群）

• 排泄障害：排尿・排便のコントロールができない（尿が出にくい、漏れるなど）。

• 急激な筋力低下：急に足首や足指が動かせなくなるなど、麻痺が進行する。

• 会陰部（股の付け根周辺）のしびれ：強いしびれや感覚の麻痺がある。

これらの症状は、馬尾神経が強く圧迫されているサインであり、放置すると重度の後遺症が残る可能性があります。

💡 保存療法の目標

緊急性が低い場合、保存療法の目標は神経への負担を減らすことと、日常生活での活動量を維持することです。

• 薬物療法: 痛み止めの服用や、神経の炎症を抑えるブロック注射。

• リハビリテーション: 体幹の強化、ストレッチ、姿勢指導。

当院が行う施術は、この保存療法の中でも「身体の歪みと機能不全を根本から解決し、再発を防ぐ」という重要な役割を担います。

日常生活で以下の点に注意することで、脊柱管が狭くなるのを防ぎ、症状を和らげることができます。

1. 姿勢と動作の工夫（「反り」を避ける）

立つ時
×常に胸を張り、腰が反っている
◎軽くお腹に力を入れ、骨盤を少し後傾させ、腰の反りを緩める。

歩く時
×顎を上げ、腰を反らせて無理に歩こうとする。
◎少し前かがみの姿勢を意識し、手押し車や杖を使い、腰の反りを防ぎながら歩く。

家事
×中腰や前かがみで長時間作業をする。
◎料理や洗い物の際は、片足を台に乗せるなどして、腰の反りを防ぐ。

2. 体を温める

血流が悪化すると、圧迫されている神経の栄養状態が悪くなり、症状が悪化しやすくなります。

• 入浴: 毎日湯船に浸かり、腰や足先まで温め、血流を改善しましょう。

• 保温: 腹巻などを活用し、腰部を冷やさないようにしましょう。

3. 無理のない運動の継続

歩行が難しい場合は、水泳（水中ウォーキング）や自転車（前かがみになれる）など、腰に負担をかけずにできる運動を取り入れ、足の筋力を維持することが重要です。

当院では脊柱管狭窄症の患者様に対し、「痛みとしびれを抑えること」と「狭窄部分への負荷を恒常的に減らすこと」を目標に、当院での鍼灸と整体、自宅でのセルフケア・インナーケアを組み合わせた複合的なアプローチを行います。

💎 当院の３つの柱による根本改善アプローチ

柱① 鍼灸治療による「神経の炎症鎮静と血流改善」

• 痛みの鎮静化: 脊柱管内で圧迫され、炎症を起こしている神経周囲に鍼が作用し、痛みやシビレを素早く沈静化させます。

• 血流促進: 鍼灸によって局所の血流を劇的に改善し、神経に必要な酸素や栄養を供給。馬尾神経周辺の血行不良を改善し、回復力を高めます。

柱② 整体による「反り腰と骨盤の歪み解消」

• 腰椎への負荷解消: 狭窄症を悪化させる最大の原因である反り腰や骨盤の過度な前傾を、全身調整整体で丁寧に修正します。これにより脊柱管内の圧力を軽減します。

• 深部筋の緊張緩和: 腰椎を固めている深部の筋肉の緊張を解放し、可動域を確保することで、歩行時の負担を和らげます。

柱③ 再発予防のためのセルフケア・インナーケア指導

• 正しい姿勢指導: 狭窄症の改善に不可欠な「腰を反らせない姿勢」や「前かがみ動作での体の使い方」を徹底指導します。

• セルフケア: 関節の可動域を上げるための筋肉のストレッチや弱体化した体幹を支えるための、安全で効果的なインナーマッスルトレーニングを個別指導し、腰椎の安定性を根本から高めます。

• インナーケア：身体を作る食事や睡眠の質向上へのアドバイスを行い、生活習慣を改善していきます。

脊柱管狭窄症は長年の体の使い方の結果です。しかし今日から正しいケアと施術を始めることで、身体は改善に向かいます。歩くことへの不安を解消し、旅行や買い物といった自由な生活を取り戻せるよう、私たちリオラ治療院が全力でサポートいたします。

ご自身の症状について、施術内容についてご不安な点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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